結束バンドは、配線工事などの際に欠かせない製品の1つとして、さまざまな場所で使われています。
「結束」とはばらばらになったものを1つに束ねることをいいますが、結束バンドはその名の通り、複数のケーブルなどを束ね、ばらばらにならないように固定しておくための製品です。配線ダクトの中にケーブルを通す時、家具の裏側に這わせた電源コードをひとまとめにする時などに使用すると便利です。この結束バンドですが、屋内ばかりでなく屋外で使われることもあります。
例えば屋根や屋上に太陽光発電パネルを設置する際、電力を屋内に引き込むためのケーブルを束ねるのに使われたりもします。そのような場合は、長期にわたって直射日光を浴びても容易に劣化しないよう、特別な材質の製品が使われます。また、冬場に気温が著しく下がる地域では、凍結防止剤対策を施した製品が欠かせません。
積雪や気温の低下によって路面が凍結するおそれがある場合は、凍結防止剤を散布して対策を講じるのが一般的ですが、この凍結防止剤には塩化カルシウムなど腐食性のある成分が含まれています。これが結束バンドに触れると、破断してケーブルがばらばらになってしまい、停電や路肩で使用されている照明器具の故障などを招くおそれがあります。そのため、こうした地域では極めて耐久性の高い製品が使われます。一般的な結束バンドはナイロンなどの樹脂製ですが、場合によっては金属製のものが使用されることもあります。